Reading rugby memo コーチングとは「信じること」No.1
ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話 (Sports Graphic Number Books) -コーチングとは「信じること」
生島 淳
エディー・ジョーンズの特集の本を2冊を読んだ。この本は対談部分が多く、エディーさんの普段考えていることや、ラグビー以外のこともよく書かれていた。
■コーチがアーティストとなる
『日本人はアートという言葉を、芸術関係のものとしてとらえてしまう「固定概念」が強すぎるのかもしれない。
スポーツの現場にも、アートは存在する。そのことをより意識するようになれば、監督やヘッドコーチの仕事に対する考え方も変わってくるはずだ。』
以前、料理人はアーティストであるということを聞いて、「なるほどなあ」と感じたことがあった。今回は、この本を読んで「なるほど、なるほど」と思った。「コーチはアーティストである。」という言葉だった。
エディーさんは、高校の教師で校長まで務めた人で、根っからの教育者である。
実は、教育の世界にも「アート」を感じられる先生はたくさんいる。
普段の授業の中で、子ども達を舞台に立たせて演じさせているかのような空間をつくる先生とか。。。
教室の中が、「子ども達の成長があちらこちらで見える、現在進行形の物語」を作っている先生など。。。
まさに「アート」芸術家で職人のような先輩先生たち。
「コーチはアーティストである。」という言葉が抽象的だが、なんかすごく何か感じるものがあった。
■オージー ウェイ
『オーストラリア人は、とりあえず実行に移してから次のプランを考えるタイプです。やりながら解決していくという方法が好きなのです。
しかし、日本時はみんなでディスカッションして、考えうる問題をすべてクリアーにしてしてからでないとスタートしない。
でも、忘れないでください。タイム・イズ・マネー、時は金なり。一分一秒も無駄にできない。』
まずは、トライすることが大切。
■ MBTIテスト「マイアーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター」
エディーさんは、心理テストをジャパンの選手達に行った。
「ファシリテーターがテストの結果をもとにして、選手に質問していきます。それによって、選手達が自分の性格を知るというプロセスが興味深かった。」
同じ戦略をチームに浸透させるにも、こうした方法で選手達の性格を知ることで、アプローチを考えて行くことができるそうだ。
「エディーさんは、選手に戦略をセールし、試合に向けて練習計画を練り、実践する。」
だから、反復練習ばかりせずに、新しい練習メニュー、興味を持つようなメニュー、納得してもらえるメニューを考えてそれを実行していることがわかった。
反復練習ばかりしていると、練習の練 習になりがちである。試合の為の練習を常に心がけることが大事だ。」
ひとりひとりの性格を知り、それぞれに合った練習、学び方があるんだよね。世界で活躍する選手を育てるためには、一斉練習では限界だってことだ。この考えがグローバル・スタンダードだってことを知っていなければならい。